恐竜・開拓・魔境・海底・魔界・宇宙
人間誰しもどうしてもここは譲れないという場面がありますよね。
僕も先日そんな瞬間に会いました。
古本屋さんで。
ずっと探してました。
藤子・F・不二雄大全集「大長編ドラえもん」シリーズ。
の古本。
古本屋での古本との出会いは一期一会。
だめだ。これは逃さない。
お金はないけど、ここだけは譲れない。
買っちゃいました。
五冊。(全6巻なので無念の一冊不足!!)
定価の半額&20パーセントオフセールだったので結構助かりました。
ああ。ご満悦。
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せっかくなんでちょっと話したいと思いますが、
みなさん、映画ドラえもんを知らない方はいませんよね。
毎年一回、春休みシーズンに公開し、現在までに38作公開されています。
では“大長編ドラえもん”とは何なのか?
知ってる人も多いかと思いますが、藤子・F・不二雄、後に藤本先生は映画になるドラえもんのストーリーは必ず先に漫画で描いていて発表していたのです。
それが大長編ドラえもん。
毎年3月に映画が公開なんですが、
その前の年のコロコロコミック10月号ごろから第1話を連載し、だいたい3月号でちょうど完結するようになってたんです。
だから当時のコロコロコミック読者は最新映画の内容は公開前にストーリーを全部知ってたのです。
その上で、これがどんな動きや表現になるのかなぁというのを楽しみに映画に行くんですねはい。
まあぼくはネタバレ嫌いで定評があるので、コロコロ買いながらも、大長編ドラえもんのページだけ手で押さえて飛ばしてました。
藤本先生は、第1作の「のび太の恐竜」から「ねじまき都市冒険記」の執筆途中で亡くなるまで、ほぼ毎年、大長編を描いていました。(この途中までのねじまき都市をアシスタントたちで最後まで作り上げていくアナザーストーリーも感動モノ)
ほぼと言ったのは、唯一「パラレル西遊記」だけ藤本先生が体調不良で入院していた年だったので、原作が存在しません。なんと悔やまれる。パラレル西遊記も傑作です。
ドラえもんって本来、SF(少しフシギ)という概念で、未来の道具とロボは出てくるけどあくまで日常の中で起こるちょっとした出来事の話を中心なんですが、
大長編では、思い切って全力のファンタジーを描くっていう挑戦。
とにかくいつもテーマの組み合わせがすごい。
例えば、
(俺の勝手な解釈ですが)
8作「のび太と竜の騎士」では、
“地底世界×恐竜絶滅の謎×行方不明”
序盤は珍しくスネ夫に焦点。
そして孤独の恐怖と、ビデオとラジコンを使った行方不明の演出。
時間軸の見事な伏線回収も鮮やかで、かなり印象的な作品の1つです。
11作「のび太とアニマル惑星」では、
“動物惑星×宗教×テロ”
動物世界での新年の参拝のシーンの描き方が斬新。
また2つの世界を結ぶピンクのモヤの演出は少し不気味でとても印象的。
14作「のび太とブリキの迷宮(ラビリンス)」では
“リゾートホテル×ブリキのおもちゃ×脱出不可能の迷宮”
可愛いブリキのおもちゃの世界と死の迷宮。
独裁政権との闘い。機械依存社会への警鐘も入っている。
熱くなりすぎました。
まあ、挙げだしたらキリがないので、今後少しずつオススメを紹介していきます。
求められなくてもします。
とりあえずしばらくは大長編ドラえもんの漫画が読めるのが幸せ。
見たいときに自分のペースでドラえもんの映画に入り込めるなんて最高。
このブログ、たまにオタク方向にもガンガン走ることもありますが、今日みたいにあったかーい目で見守っていただけると幸いです。
これからもドラえもんと王丸屋をよろしくお願いします。